【目次】
長かった学生生活に終わりを告げて、いよいよ社会人の仲間入りを果たす時がやってきました。
長期の休みを経験できるのは、卒業後から新入社員として出社するまでが最後になるかもしれません。
学生時代にできなかったことをしたり、旅行に出かけるのも良いでしょう。しかし、入社に向けた準備をすることもマストです。
社会人になる前にしっかり準備をすることで、不安も少しは解消されるはず。完璧な状態で自信をもって新生活に臨みましょう!
学生生活のノリの延長では通用しないのが社会人。大人の世界では、お互いが気持ち良く仕事をするための心得が必要なので、常識的なポイントは押さえておきましょう。
挨拶はビジネスにおいての基本。ハキハキした挨拶は、上司や同僚はもちろん、取引先にも好印象を与えます。
シーンに合う挨拶を、受け身ではなく自分からするよう心がけましょう。
時間は守って当たり前。新社会人に限らず、ビジネスにおいては時間が守れないと信用も失います。
仕事中だけでなく、普段から時間を守るようにするのがおすすめ。
社会人になったら、出社はもちろん、取引先への訪問や書類の提出など、時間に余裕を持った行動が求められます。
もし遅れる場合は、理由と具体的な時間の連絡を入れるようにしましょう。
「ほうれんそう」という言葉を聞いたことがあるでしょうが、これは「報告・連絡・相談」の略語です。
ほとんどの仕事は、1人で行うものではありません。何人かのチームで行うので、お互いに協力し合うことでミスを防ぐことができます。そこで大切になるのがこの3つ。
指示された仕事に関して、進行具合やでき上がりを指示された人に「報告」。人伝えでなく、自分の口から直接報告するのが常識です。
変更や気になる点があれば、どんな細かいことでも「連絡」。それが後々功を奏す結果につながることもあるでしょう。
仕事をするうえで、わからないことがあれば自己判断せず「相談」。そうすることで失敗を防ぐことができます。
上司は1人だけの面倒を見ているわけではないので、自分から発信しなければ気づいてもらえないことも。「ほうれんそう」がしっかりできるかどうかが評価にもつながります。
■話はわかりやすく簡潔に
社会人にはコミュニケーション能力も必要。とはいえ、仲良くするだけではなく、正しい敬語を使ったり丁寧な言葉使いを心がけることがポイント。
限られた時間の中で、用件をわかりやすく伝えることも大切。内容を100%理解して、あらかじめ話す内容を頭の中でまとめておきましょう。
話す順番としては、最初に結論を言ってから理由や経過を説明すると簡潔でわかりやすいです。
■相手の話をしっかり聞く
話すことと同様、聞くことも重要ポイント。
先輩や上司の話を聞く時は、必ずメモをすること。その場で理解できても、時間が経つと忘れて同じことを質問する状況を回避できます。
重要な情報は必ずメモを取り、疑問があればその場で質問。仕事が終わったら、メモを見ながらポイントをまとめておくと定着しやすいです。
身の回りの整理整頓も、社会人としてのたしなみ。
デスクの上が散らかってどこに何があるかわからない状態では、仕事がスムーズに勧められません。また、個人情報や極秘案件の管理を徹底するためにも、書類や情報の整理はマスト。
退社前にはデスクの整理整頓を習慣にして、書類などはルールに基づいた取り扱いを。仕事がデキる人のデスクは常に片付いているのは、社会人あるあるです。
新社会人の服装と言えば、白いシャツにネイビーのスーツ、かっちりめのヒールにバッグというのがお決まり。
全員がほぼ同じスタイルなだけに、身だしなみがきちんと整っているかいないかで差が出ます。
必要なものは入社前に揃えて、しっかり準備をすることでスーツ姿もサマになるでしょう。
社会人になれば、スーツは必要不可欠。オフィスカジュアルがOKの企業でも、社外イベントや取引先への訪問など、スーツで出社するシーンは必ずあります。
ほとんどの人は就活時に着たスーツがあるでしょうが、夏用と冬用を1着ずつ追加して合計で3~4着あれば安心。
新入社員なので、派手なものは避けた方がベター。黒やネイビーなどのベーシックカラーで、無難なデザインであれば着回しもできて便利です。
手入れの行き届いたスーツを着ていると清潔感があり、第一印象も良くなります。毎日同じスーツではなく、1日着たら翌日は休ませるのがポイント。ローテーションで着用すれば、繊維のくたびれも回復してシャキッとします。
また、スーツのサイズ感も重要。サイズが合っていないと子供っぽい印象になり、清潔感も薄れます。
購入する時は必ず試着を。上着の袖は、ワイシャツが少し除くのが基本。肩幅はジャストフィットしていることが条件です。
■オフィスカジュアルOKの場合
企業によっては、必ずしもスーツを着用する必要がないところもあります。ただし、カジュアルと言ってもどんな服装でも良いわけでなく、ドレスコードが設けられている場合も。
急な来客など、いざという時に備えて仕事をするのにふさわしい服装を心がけるのが新社会人の身だしなみ。
あまり派手になり過ぎないよう、露出は控えめに。グレーやベージュなど、悪目立ちしない色なら間違いありません。
最近はスマホを時計代わりにしている人も多いですが、新社会人は腕時計をしていた方が確実です。
ミーティングや会議中にスマホを見るのは、マナー的に良いとは言えません。時間を確認したい時に、さりげなく見ることができる腕時計があれば助かります。
腕時計と言ってもデザインは様々ですが、新社会人はアナログタイプの上品な腕時計がおすすめ。
ジュエリーのようなキラキラしたデザインや、アウトドア用の腕時計はオフィスシーンになじみません。
意外に視線が集まるのが足元。靴が汚いと、いくら服装に清潔感があっても台無しです。
スーツに合うベーシックなパンプスで、ヒールの高さは5cmくらいまでに。毎日一緒だとお手入れするのが大変なので、2~3足をローテーションするのがおすすめ。
かかとがすり減ったら修理へ。休みの日に手入れをする習慣をつけると長持ちします。
■ヒールのお手入れ方法
1.靴用のブラシを使い、前から後ろにブラッシングして汚れを落とします。
2.靴用クリーナーを薄く塗り、きれいな布で拭き取ります。
3.ツヤ出しと、ひび割れなどを防止する効果のある靴用クリームを塗り込みます。
4.仕上げに撥水スプレーを吹きかけましょう。
女性の場合、スーツを着る時にはストッキングをはくのが新社会人としてのマナー。
色は肌の色に近いベージュで、ワンポイントや柄物はNG。伝線することもあるので、予備を会社に置いておくと便利です。
新社会人になって新しく増える習慣が、名刺交換。
名刺はそのままポケットに入れたり、財布に入れると折れてしまいます。自分の名刺はもちろん、いただいた名刺も名刺入れにしまうのがマナー。
後日会った時に、自分の名刺が財布の中で折れ曲がっているのを目にしたら良い気はしません。入社式の日に名刺をもらう可能性もあるので、前日までには用意しておきます。
新入社員のうちは、あまり派手なデザインはおすすめできません。黒や茶色が多いですが、女性の場合は、派手過ぎなければもう少し明るいカラーでも良いでしょう。
落ち着いたデザインであれば、さほど費用をかける必要はなくお手頃価格でも十分。両親や親戚からの就職祝いに名刺入れをプレゼントしてもらう人も多いです。
学生の頃は必要なくても、新社会人になるといるものがあります。仕事が始まるとなかなか買い物に行く時間がないので、入社前に揃えておきましょう。
文房具は社会人になっても必要。ただし、必要なものだけをピックアップしてコンパクトにまとめるのがポイントです。
■筆記用具
新しく覚えるべきことをメモする必要があるので、筆記用具はマスト。ゴチャつかないように最低限必要なアイテムのみ厳選しましょう。
・ボールペン(黒・赤)
・シャーペン
・マーカー(蛍光ペン)
筆記用具は会社から支給されるケースも多いですが、新入社員のうちはいつでもどこでもすぐにメモできるように持参するのがおすすめです。
■ペンケース
学生時代、特に女性はパンパンに膨らんだペンケースを使っている人もいますが、そのままでは新社会人向きとは言えません。
黒やブラウンのシンプルなデザインで、コンパクトな方が落ち着いた雰囲気に。合皮でも良いですが、可愛い系は避けてください。
■メモ帳
会社にはメモ帳が用意されているはずですが、新社会人のうちはまだどこにあるのかもわからないことが多いので、持参すると安心。
ポケットに収まるサイズで、ボールペンを挟めるタイプが便利でしょう。
■クリアファイル
新社会人のうちは、会社から様々な資料を渡されます。クリアファイルがあれば、ぐちゃぐちゃになる心配もありません。
電車通勤の場合は、パスケースも必要。また、セキュリティカードがある会社の場合は、首からぶら下げるパスケースがあると便利です。
社会人となれば、想定外の出費が発生することも。経費や出張費用の立て替えなど、現金では賄えない金額の場合もあるので、クレジットカードを持っていれば安心。
クレジットカードは、使えば使うほど利用限度額が上がり、社会的信用も上がります。お得な使い方も沢山あるので、若いうちから使い慣れておいて損はありません。
世の中には様々なカード会社がありますが、新社会人が自分に合うクレジットカードを選ぶポイントは以下の通りです。
■年会費
クレジットカードには通常年会費がかかります。一般的には2,000円~3,000円が相場ですが、最近は年会費無料のカードも。
ただし年会費無料にも様々なケースがあるので要注意。「年会費永年無料」は、発行時も維持するにも料金が発生しないタイプ。「初年度年会費無料」は最初の1年間のみ年会費無料。
「条件付き年会費無料」の場合は、使用回数の条件をクリアすれば年会費が無料になります。
新社会人の場合は、年会費永年無料のクレジットカードでコストカットするのが賢明でしょう。
■ポイント還元率
クレジットカードは、使った分だけポイントが貯まるシステム。ポイントは現金として使うこともできれば、商品と交換することもできます。
還元率はカード会社によって違うので、効率よくポイントをためることができるカードを選びましょう。
ポイント還元率とは、利用金額に対してどれくらいポイントが加算されるかを示す数値。例えば、100円利用すると1ポイント貯まるシステムなら、還元率は1%。
一般的には、ポイント還元率0.5%が多いので、それ以上であればお得と言えます。
■カード会社
新社会人におすすめのカード会社は「VISA」「Mastercard」「JCB」。いずれも世界的シェアの国際ブランドで、加盟店が多くほとんどの買い物で利用できます。
ちなみに、社会人生活にも慣れてきた5年目以降におすすめのカードが「アメックス」や「ダイナース」。
年会費は少々お高めですが、サービス内容が充実。ホテル、レストランの優待や空港でのラウンジ使用など、出張が多い人にとっては非常にありがたい内容です。
銀行に口座を持っている人は多いでしょうが、その口座が給与の振り込み用として使えない場合もあります。
会社によっては、振込手数料を削減するために給与口座が指定されているので、自身の持っている口座が使えない場合は新たに開設しなければいけません。
その場合は入社前に口座を開設する必要あり。銀行に行ってからアタフタしないように、口座開設に必要なものをチェックしておきましょう。
■本人確認書類
銀行口座を作るためには、本人確認書類での氏名、住所、生年月日の確認が必要。使用できる書類は銀行によって違いますが、基本的には免許証やマイナンバーカードです。
保険証の場合は、プラスで公共料金の領収書が必要になる場合も。その場合、コピーではなく原本のみしか認められないので注意してください。
各銀行のHPには、口座開設に必要な書類が公開されています。本人確認書類の種類も記載されているので、行く前に確認しておきましょう。
■銀行印
口座を開設する時、それに関連する様々な契約を交わす際に使用する印鑑を「銀行印」と言います。
手続きによっては、この銀行印がなければ行ってもらえないことも。それほど重要な印鑑なので、大切に保管する必要があります。
使っているうちに形が変わったり、インクが薄くなってしまうシャチハタでは認められません。
銀行口座の開設以外でも印鑑が必要なシチュエーションが増えるので、持っていない場合は用意しておきましょう。
■アイロン・ズボンプレッサー
デスクワークなど、長時間座って仕事をする場合はどうしてもズボンにしわができてしまいます。
そのまま翌日も着ていくとなれば、なんとかしわを伸ばしたいところ。そんな時に便利なのが、アイロンやズボンプレッサーです。
学生時代には縁がなかったアイテムですが、使いだすと楽しくなってハマる男性も多いです。
■ネクタイ
ネクタイは、新社会人に欠かせないアイテム。手持ちのスーツに合うネクタイを、最低でも5本は用意しましょう。
デザインはあまり派手でないもの。ストライプなど無難な柄を選ぶと便利です。同じスーツでもネクタイが違うと雰囲気が変わるので、似たようなデザインばかり選ばないのがポイントです。
■ネクタイハンガー
ネクタイと共に用意したいのが、ネクタイハンガー。ネクタイは意外としわになりやすいですが、ハンガーにかけておけば安心。
ヨレヨレのネクタイでは印象が悪いので、スーツ姿をピシッとキメるためにもネクタイハンガーが必要。最近は100均でも購入できます。
■携帯ひげ剃り
朝剃っても、夕方になるとひげが伸びてくるという人も。いざという時に外出先でもケアできるように、携帯できるひげ剃りを持っていると便利です。
■携帯用ミラー
髪型やメイクの乱れをチェックするために、携帯用のミラーがあると役立ちます。ポケットに収まるコンパクトなものを用意すると、邪魔になる心配もないでしょう。
■ストッキング
女性特有のアイテムであるストッキング。仕事中や外出先で伝線した時にすぐに履き換えられるよう、予備を持ち歩く必要があります。
毎日着用する場合もあるので、多めに購入して家にもストックしておきましょう。
■メイク直しセット
洗面所でササッとメイク直しができるように、小さいポーチにパウダーやリップなど使うものをまとめておくと便利です。
■サブバッグ
ランチに出かける時などに財布とスマホ、リップなどを入れて持ち歩くバッグ。スマホなどを裸で持ち歩きたくないという理由から、会社に「置きバッグ」をしている人もいます。
給与口座を作る時に加えて、社会人になると印鑑が必要な場面が増えます。サインよりも信用性が高く、この先長い付き合いになることは間違いありません。
仕事面では、給与口座を始め、会社と個人との契約関係の書類などに必要。さらに、仕事以外の場面でも印鑑の出番は多いです。
例えば、一人暮らしを始める場合は、賃貸契約の際に必要。他の場面でも「契約」と名のつく作業には印鑑を求められるケースがほとんどです。
印鑑を押す際に、よく「シャチハタ不可」という記載を目にします。
シャチハタとは、100均などで購入できるスタンプ式の印鑑で、朱肉を使わず、キャップを外すだけで押せる手軽な点がメリット。
量産品なので価格も安く、手軽に購入できて便利ではあります。しかし、知らない人が同じ印鑑を使って自分になりすますことも可能。
また、ゴム製なので使っているうちに変形したり、削れてしまう可能性あり。そうなれば、当然証明機能も果たせなくなります。
社内の簡易的な書類や自宅での宅配荷物の受け取りなどはシャチハタでも十分ですが、重要な契約の場合はそうはいきません。
新社会人になるのを機にちゃんとした印鑑を作っておけば一生使えるので、新調しておきましょう。使い勝手が良いシャチハタと両方用意しておくのが理想的です。
■身元保証書
ほとんどの会社で提出が必要な「身元保証書」。これは、社員が会社に対して大きな損害を与えた場合、代わって賠償する保証人を決めておくための書類です。
保証人の署名、捺印に加えて、印鑑証明などの提出を求められることも。
入社後に配布される場合もありますが、事前に配布されている場合は入社日当日に持参しなければいけないので準備しておきましょう。
■卒業証明書
一般的には、入社前に直接受け取っているか、大学から郵送されてくるはず。手元にないという方は、大学に問い合わせて発行してもらう必要があります。
その場合、郵送までに1週間くらいかかる場合もあるので、入社式に間に合うように手続きしましょう。
■国民年金手帳
将来年金をもらうために必要な「国民年金手帳」は、20歳になったら国から発行されます。身に覚えがないという方は、保護者に確認してみましょう。
見つからない場合は、近隣の年金事務所で再発行の手続きが必要。場所によって期間に違いがありますが、2、3日では済まないので早めに手続する必要があります。
■通帳
会社から給与を振り込んでもらうための通帳と印鑑が必要です。事前に会社側から銀行の指定がある場合は、新しく口座を開設しておきましょう。
■住民票記載事項証明書
住民票登録されている役所の窓口で取得するか、マイナンバーカードがあれば、コンビニの端末から発行できる地域もあります。
■クリアファイル
入社式では沢山の資料が配布されますが、そのまま持ち帰ると折れ曲がってしまいます。種類別に分類できるクリアファイルがあると便利でしょう。
初めての出社までにやっておきたいポイントは3点。新社会人としての自覚を持つためにも積極的に行いましょう。
これから働く会社についての情報を収集することは、仕事の内容を理解するためにも重要。
もちろん就活中に得た情報も役立ちますが、企業情報は日々更新されるので常に新しい情報を得る必要があります。
例えば、内定をもらってから入社するまでの間に大きなプロジェクトが始まったり、他企業との業務提携が成立したり。社内では知られていて当然の情報は、得ておいた方が入社後スムーズに仕事をするうえで有利です。
欲を言えば、経済誌などを読んで同じ業界の企業情報や、業界全体の動きをチェックしておくのもおすすめ。
配属部署は決まっていなくても、入社までの期間を利用して様々な勉強をしておけば同期の中でも一目置かれる存在になれる可能性あり。
また、業務に関係がある資格取得を目指して勉強したり、語学や会計知識などを身に付けておけば、どの部署に配属されても焦る心配はないでしょう。
社会人は規則正しい生活を送るのが基本。
学生時代は、少々羽目を外して夜更かししたり、長期の休みは昼夜逆転の生活を送っていた人もいるでしょう。
特に新社会人になってしばらくは、肉体的にも精神的にも疲れます。
体調を崩さないようにするためにも、早寝早起きなど規則正しい生活リズムを身に着けておくことが大切です。
業種に関係なく、社会人にとってパソコンの基本的な操作はマスト条件。
学生時代に身に付けたスキルに加えて、Excel、PowerPointで様々な資料を作ることができるスキルがあれば有利。新入社員でも即戦力として認められるケースがあります。